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京都家庭裁判所 昭和49年(家)65号 審判 1975年3月10日

申立人 本籍 京都市左京区

住所 本籍に同じ

小林静子(仮名)

未成年者 国籍 中華人民共和国

住所 申立人に同じ

李秀正(仮名)

主文

申立人が未成年者を養子とすることを許可する。

理由

本件申立の要旨は「申立人は昭和三一年に実母の妹小林ハツの養女となつたものであるが、独身で子供がないため、申立人の実妹李美令(旧名中村冷子)の三男に当る未成年者を養子にし度いと考え、主文同旨の審判を求めて、本件申立に及んだ。」というにある。

よつて検討するに、事実調査の結果によると、上記申立どおりの事実のほか、更に、申立人は昭和二年四月二五日生の女性で、昭和四九年八月より、既に未成年者と生活を共にし、未成年者をその希望に従つて、高校、大学にも進学させ度いと考えていること、未成年者は昭和三二年三月二八日生の中華人民共和国人の男子であるが、昭和四八年一〇月、祖母(申立人の母)の病気見舞のため日本に里帰りする母親に伴なわれて来京し、祖母方に落付き、母親帰国後もそのままとどまつて、昭和四九年八月からは更に肩書住所地に申立人と同居し○○中学校に通学しているものであつて、申立人の養子となつて将来その面倒を見てゆく意思を有していること、未成年者の両親は共に本件縁組に同意していること、の各事実が認められる。

ところで法例一九条一項によると、養子縁組の要件に関する準拠法は各当事者の本国法によるべきであるから、申立人については日本法が適用され、未成年者については中華人民共和国法が適用さるべきところ、同国法の内容は調査するも、当裁判所においてこれをつまびらかにすることができないから、結局条理によつてこれを判断すべきものとする。

そこで上記認定の事実によると、本件養子縁組は未成年者の福祉に副うものと認められ、申立人については民法所定の要件をすべて充足しており、未成年者についても条理にかなつていると解せられる。

そうだとすると、本件養子縁組はこれを許可するのが相当と認められるので、本件申立を認容することとし、主文のとおり審判する。

(家事審判官 村田晃)

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